昭和二十年八月十六日に壮烈な割腹自決を遂げた大西中将の遺書は、神風特攻の命令を下し、戦争継続を激しく主張していた人物が書いたとは思えない世界平和を願う言葉が綴られていた。その遺書の意味を考え続けていた大西の元副官・門司親徳は、元特攻隊員の角田和男がダバオの基地で耳にした「特攻の真意」を聞いて、長年の疑問が氷解していった-あの戦争の「空白」を埋める衝撃のノンフィクション作品。