21世紀はミリューセラピーの時代である。ミリューとは、人を取り巻く空間であって、「生きられる風景」を構成する要素である。たとえば病を得た者は必ずしも明るい風景ばかりを好むわけではなく、生きられる風景はそれぞれに違う。本書では緑をとりいれた施設や植物に癒されていった患者の事例などを通して、癒しと緑の関係をさぐる。風景が、人を包み込み癒す積極的な治療媒体として、大きな力をもつことが理解できる。医療、福祉、心理、農学、都市計画に携わるすべての人に必読の書。