異文化の国を訪れた人たちは、目新しいものに触れるたび、案内役や出会った人たちに次々と質問を浴びせかけてくる。豊かで多様な独自の文化を持つ日本の場合、山ほどの質問が降り注ぐことはしょっちゅうである。だが、日本人にはしごく当たり前のようなことについて聞かれても、きちんと答えるのは容易ではない。主に過去から受け継がれている日本の事柄について記したこの対訳本は、日本を訪れる人だけでなく、それを迎える側の人たちにも答えを提供しようとするものだ。本書は、21世紀の日常生活にいまだ息づく日本の伝統的な文化に関連するものに焦点を当てている。公共施設、観光(寺や神社や城など)、商店や飲食店、冠婚葬祭、遊び、伝統行事、楽器、祭り、そして季節の風物詩などが主なテーマである。自動販売機など、近現代の事象もいくつかとり上げている。