ハンサムなデブのヒデブー(本名:山本英夫)は、ある日、大阪・鶴橋でカフェ&バーを営むトオルちゃんの店で見た『ダイ・ハード3』の「ハゲのくせに二日酔いのランニング姿のままごっつ走り回ってる、タフな」ブルース・ウィリスに感化される。さらに、新世界でサラリーマン相手にアコギな賭け将棋をやってるホームレスのサダオさんの「ゲームやゲーム、ゲームにはアコギもへったくれもあれへんのや」というセリフに興奮し、身体がムズムズして東京へ行くことを決意。奇しくも東京から観光に来ていたミチオとモエに通天閣のビリケンはんの前で出会ったヒデブーは、持ち前の行動力と図々しさと優しさを駆使し、帰京する二人に無理やりついていった…。第2回きらら文学賞受賞作。