細菌のウイルスであるバクテリオファージ(通称ファージ)は特定の細菌に感染して増殖し、その細菌を溶かす。この力を利用したファージ療法は1920年代から始まり世界的に用いられたが、ペニシリンなどの抗菌薬の時代が到来し、東欧諸国の一部を除いて忘れられていた。しかし、薬剤耐性菌による死者がガン死者を上回る将来予想が示されるなど、問題が深刻化する中で、ファージ療法に再び光が当たりつつある。ファージ探究の驚くべき歴史を、その発見から今日までドラマチックに描きだす。