十勝平野の牧場と開拓地での三十年にわたる困難な生活ののち、山岳画家として日高の山々や北の大地に向き合うことを決した坂本直行の画文集。友人たちとの朗らかな山行、アイヌの老人との交友、北海道各地へのスケッチの旅などを通して、原野と山脈への変わることのない深い愛情が、力強い山岳画や植物のスケッチとともに綴られる。