初めての消費税ネット増税である「社会保障・税一体改革」の議論は、2001年の小泉内閣時代に始まり、第1次安倍内閣、福田内閣、麻生内閣の下で進展し、2009年の民主党への政権交代を経て2012年に野田内閣の下でまとまり、自民党・公明党との三党協議を経て完成した。その後第2次安倍内閣の下で、2度の延期を経て、軽減税率の導入も行われ、2019年10月1日から10%の税率となった。本書は、この間の「上げ潮派」と「財政規律派」の議論、三党合意を巡る駆け引き、軽減税率やインボイス、給付付き税額控除の議論、2度の実施延期を巡るやとりとりなどについて、政府税調・党税調・経済財政諮問会議などに提出された重要資料を基に、その議論の内容を詳細に記述し、筆者なりの解説をしたものである。