薬学教育モデル・コアカリキュラムに基づき物理化学教育が実施されている。物理化学は、「C:薬学基礎」の中の「C1:物質の物理的性質」に準拠し、おもに「物質の構造(量子化学)」、「物質のエネルギーと平衡(熱力学)」、「物質の変化(反応速度論)」で構成され、有機化学、生化学、薬理学、薬剤学などの専門分野を学ぶうえで必要となる基礎知識や考え方の根幹をなしている。本書では、コアカリキュラムをふまえ他の分野との関連性を意識して、できるだけ薬学領域への応用にふれながら、物理化学を学ぶ意義と重要性を感じられるように、そして低学年にもわかりやすいように心がけて解説している。また、多数の例題と演習問題を配しており、基本事項の確認と薬剤師国家試験の対策にも役立つように配慮されている。