本書は植物生理学の基本事項を生物系学部学生、大学院生向けに解説した教科書・参考書である。生命活動の基礎をなす生化学、分子生物学、細胞・組織の構造について概説したのち、エネルギー代謝、植物に特徴的な光合成、植物ホルモン、生長生理、代謝生理、発育の調節などを中心に、総合的に解説している。改訂にあたっては、近年大きく進歩した遺伝子の発現調節機構ならびに遺伝子組換えにおけるゲノム編集技術、分析機器の進歩によるオミクス解析の深化、植物細胞・組織・器官の環境応答の機構、光化学系2の微細構造と機能などについて、最新の情報に書き改めた。また、社会的関心の高い遺伝子組換え生物の利用、地球温暖化などについてもふれている。