囚人番号345506、南の果ての記憶

2005年、奇妙な音声で録音された「Lost Dope」という曲が、日本のヒップホップ・シーンに衝撃を与えた。声の主は札幌出身のラッパーB.I.G. JOE。ヘロイン密輸容疑で逮捕され、オーストラリアの刑務所に服役中だった彼は、日本への国際電話を利用し、そのラップを吹き込んだのだ……。本書は、異国の獄中で過ごした日々を綴ったB.I.G. JOE 6年間の手記である。事件の顛末、裁判の行方、塀のなかの過酷な生活、そして、前向きに生きる力を与えてくれたラップという表現手段。収監中の身でありながら日本で発売された数々の作品はどのように制作されたのか? 長い刑期のなかで彼は何を感じ、何を思ったのか? その全貌が、ついに明かされる。

【CONTENTS】
プロローグ
密輸計画
無言の取調室
幻覚と選択
裁判
判決=Not完結
愛と孤独と決別と
新天地
ジェイルで生きるための10の戒め
グローバルな食生活
ロスト・ドープ
マッチョ・ワールド
スタジオのある刑務所
監獄ラッパー誕生
母の面影
ザ・犯罪学
塀のなかの住人たち
ドラッグ・ビジネス
ミッドナイト・エクスプレス
LIKE A 修道院
生きることと創造すること
6年
フリーダム・フライト
再会
監獄ラッパー・イズ・バック
解説:二木信

【著者について】 B.I.G. JOE プロフィール
札幌出身のラッパー、プロデューサー、ヒップホップ活動家。90年代初頭にヒップホップ・カルチャーに強い影響を受け、その後マイクを握り地元を中心に活動を開始。着実に支持も高まりつつあった2003年、ヘロイン密輸容疑で逮捕、オーストラリアで6年間の刑務所生活を送ることに。しかし同地より発信された生々しい作品により注目を集め、本人不在のまま、日本の音楽シーンにその名が浸透していく。2009年の帰国後は、ソロ作の発表に加え、数々の客演、全国ツアーを行ない、精力的に活動中である。最新作は自らがリーダーを務めるMIC JACK PRODUCTIONの『M.I.C』。