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本書はもともと教科書として作られたものであるから、淡々とした叙述であるが、諸分野の学問の成果を取り入れながら、その統合に大きな苦心をはらっている。人間と宗教のかかわり方について、社会学、心理学、人類学という非常にひろい意味での行動科学の原則に立ってみると、人間行動の一種である宗教行動は、どんな状況で発生し、どんな特徴を持ち、どんな構造と機能を有するかという一般理論を目指している。宗教行動を説明するには、マリノフスキー、ラドクリフ1=プラウンからタルコット・パーソンズに至って機能主義という方法が定着した。文化、社会、心理の各次元を体系をなしていると仮定して、その体系の維持、発展に宗教がいかなる役割を果しているかをみるのである。しかも宗教は芸術と並んで象徴の世界に深く入り込んでいるので、この十年来急激に進歩した、構造言語学、構造主義、記号論、解釈学を宗教学の領域の中にとり込み、消化しなければならない。その意味で、最新の宗教学概論ということができる。 本書は主として原始・古代宗教を扱っているが、宗教学にとっての原始宗教は、人類学で扱う「地域研究」の視点からではなく、宗教の原始形態即基本形態とする関心から、なじみの研究対象となっている。(「訳者あとがき」より) 目次 第一章 宗教研究の方法 1 研究者の当惑/2 宗教の起源について/3 社会学的学説と心理学的学説/4 宗教の記述の問題/5 様々な方法 第二章 宗教の定義 1 宗教の語義/2 三つの定義/3 定義の含む問題/4 まとめ 第三章 儀礼と神話――行為と意味としての宗教―― 1 ティコピア――「熱い食物」の儀式/2 儀礼と神話/3 儀礼の重要性/4 機能主義理論と儀礼/5 宗教の社会的機能/6 宗教の生理的・心理的機能/7 成人式/8 宗教の深層心理的機能/9 儀礼と神話の表出機能/10 呪術と宗教 第四章 神話の解釈――象徴的表現としての宗教―― 1 宗教の解釈学的研究/2 象徴を作る動物/3 宗教の記号学的研究/4 アスディワルの物語/5 「未論理的」思考 第五章 未開社会の宗教――ヌエル族とディンカ族―― 1 未開社会の特質/2 未開社会の信仰様式/3 霊魂、幽霊、死後の生命/4 生贄を捧げる儀礼/5 神聖な槍/6 宗教的機能の担当者/7 神話と生活様式/8 むすび 第六章 宗教の歴史的諸形態 1 宗教の歴史的研究/2 旧石器時代の宗教/3 新石器時代の宗教/4 古代北欧の宗教/5 古代諸文明の宗教/6 ギリシアの宗教/7 ローマの宗教/8 歴史的諸宗教 注 参考文献 訳者あとがき