たいせつな父を亡くし、大坂から江戸に出てきたさくらには夢がある――一人前の料理人になり自分の店をもつ。 だがなんの因果か、吉原の妓楼〈佐野槌屋〉の台所ではたらくことに。 乏しい食材にめげそうになるが、自慢の腕をふるい、様々な悩みを解きほぐす――最高位の花魁の落涙の理由、男衆の暴れ騒ぎ、旅立つ人形師の心の迷い......温かな料理で人を包み込み、そっと後押しする。 さくらの心意気がまぶしい、人情料理小説!