本書は、現、一般財団法人インターネット協会理事長が語る、現在の日本の経済・経営状況についての問題提起およびその解決への方途といえる一冊です。 まず1994年を起点にした「失われた20年」を題材し、現状、日本が世界において劣勢に甘んじている理由を論じています。その端的な事実は、世界の主要各国を眺めてみても、日本のGDPだけが減少しており、その最大の原因は、日本だけが「インターネットというイノベーション」への対応ができていない点に尽きます。 1994年、日本でインターネットの商用化が始まり、日本だけでなく世界においても、数多くのインターネット企業が設立されました。その後、世界の国々は、インターネット前提社会へと大きく変化しました。しかし、日本では、インターネット・インフラの整備だけは進みましたが、インターネットの利活用は一向に進まず、インターネットがなかった時代と変わらない時代が続いているのです。 以上のような背景から、第1章では、世界の主要国との比較において、過去の20年間に日本のGDPだけが減少した点について、第2章では、世界経済に構造変化をもたらしたインターネットの衝撃について、第3章では、失われた20年を打破する成長戦略の担い手について、第4章では、失われた20年を打破する成長戦略に立ち塞がる「岩盤規制」について、第5章では、日本が負けないための処方箋について、述べています。 世界的にもそうですが、日本もまた、インターネットを基盤とした変化の時代の渦中にあります。その変化の時代に、日本はやみくもに変化をするのではなく、理論に沿った意味のある変化を起こすべきではないでしょうか。本書にて、この日本が今後変わるべき有効な方向・そのあり方を示唆したいと思います。