江戸から京に配された東町奉行所の青年同心・大仏伝七郎は、かつて近道勇や土方歳三と剣技を磨いた仲であった。新選組が尊王攘夷派を襲撃した池田屋事件からひと月後、池田屋で奉公していた若い女子が刺殺された。伝七郎は手掛かりを求め、壬生の屯所に足を運んだ。そして歳三から一通の書状を見せられる…(「池田屋の虫」)。