大王墓と有力豪族の族長墓はヤマト王権の構造と実態を解明する鍵を秘めている。そこに葬られたのは誰なのか?本書では箸墓古墳、誉田御廟山古墳、西殿塚古墳と西山塚古墳、五条野丸山古墳、植山古墳と山田高塚古墳、牽牛子塚古墳と岩屋山古墳を取り上げ、それらの造営年代に関する周到な考古学的検証を踏まえて、被葬者と造営過程を明らかにする。さらに物部氏、蘇我氏が営んだ族長墓の探求をとおして、最有力豪族の本拠地の変遷を考察する。古墳研究を牽引してきた著者による論考八篇を収録。