「帝国陸軍の至宝」永田鉄山(一八八四‐一九三五)。第一次世界大戦がもたらした甚大な被害の衝撃は、このエリート軍人に「次の大戦は必ず起こる」と確信させた。国家総動員、資源の確保、政治への介入、若者の教育...。危難の時代を生き延びるため、あるべき国の姿とは?戦間期に永田自身が遺した論考七編に解説を加え、のち開戦に至る論理の核となった思考と足跡をたどる。