日本列島において十二支動物は、千数百年にわたって時間や方位の把握に用いられてきた。十二支の時空のシステムは数字の反復や積算ではなく、玄妙に変化する地球、太陽、月などの自然と、生きものや人の関係として展開してきた。列島に伝承された神話、物語、民俗、宗教などを考察し、個性あふれる十二支動物を導き手として、生きとし生けるものが織りなす時空へと分け入れば、その旅の先に豊かな文化の姿が装いを新たに立ち現れるだろう。広く関連諸学の成果を摂取して、現代文明がはらむ課題を乗り越えようと企図した画期的な日本文化論。