安保法制をめぐって日本中に論議が巻き起こった、二〇一五年夏。それはまさにリベラルの存在意義が問われた季節でもあった。いまリベラルは何を考えればよいのか。右傾化する社会状況の源流を、八〇年代“ニューアカ”“ポストモダン”まで辿り、リベラル派知識人にも責任があると、著者は喝破する。近年、アイヌ民族差別や在日韓国人へのヘイトスピーチ、そして安保法制に対する社会運動において、自らもデモなどに積極的に参加し関わってきた著者が、リベラルのゆくえを考察する一冊。