夜鷹蕎麦の夏が何者かに襲われた娘を助けた。「なお」と名乗った女郎風の娘は、夏に何事か言い残して事切れる。一見、痴話喧嘩の果ての所業と思われたが、隠密廻りの桐谷左門は妙な胸騒ぎを覚える。折しも夏の身辺では不穏な出来事が続発。取り巻きの春秋組が夏を守ろうと色めき立つなか、事態は大名家も絡んだ戦慄の結末へと動き出す。飴玉咥えて悪を斬る、型破りな同心が大活躍する好評シリーズ第四弾!書き下ろし長編時代小説。