1954年の『ゴジラ』以来、美術担当として円谷英二監督や中野昭慶監督の特撮作品を支え、セットや怪獣・超兵器のデザインからミニチュア制作、果ては実際の画面レイアウトに至るまで、特撮画面に映るすべてのものを手がけたデザイナー・井上泰幸氏。日本特撮映画の黎明を築き、東宝特撮映画の黄金期を支えた井上氏の偉業を、ご本人の手元に現存する豊富で魅力的な美術資料、ご本人への貴重なインタビュー、 そして元・東宝"特美"スタッフをはじめとする関係者たちの証言などにより解き明かす。

特技監督、特撮監督の名声の影に隠れ、これまであまり表に出てこなかった「美術」が、特撮作品においていかに重要な役割を果たしていたのか。特撮美術の価値に光を当てるべく、初公開となる貴重な資料や写真も多数収録。日本が世界に誇るミニチュア特撮の魅力を存分に味わえる、全特撮ファン必携の1冊。