土と石に纏わる怪「哭塊」、風や空気に纏わる怪「風怨」、水や液体に纏わる怪「水呪」と続いてきた四大元素シリーズの最終巻がついに完成した。火と炎に纏わる禍々しき怪の数々を蒐集した戦慄の異形譚の登場である。「炎・焔」は辞書によると、「妬み・怒り・怨みなど心中に燃え立つ激情をたとえて言う語」とある。まさに怪そのもの、最終巻に相応しいテーマとなった。蝋燭のように小さく揺らめく火から、世界を焼き尽くす劫火まで、炎は命そのもののように燃えている。ものは言わねど狂おしく、その情念で我々を飲み尽くそうと狙っている。間違いなく、シリーズ中もっとも危険な1冊となった。ページを繰る指先が熱くなってきたらご用心、ご用心......。