クロエは決意を胸に、メイソンのオフィスに向かった。今日こそは、彼の腕に抱かれて熱いひとときを過ごし、名実ともに恋人同士になってみせる。互いの利益のために便宜上の婚約をしただけなのに、クロエはいつの間にか彼に恋してしまったのだ。だが、足を踏み入れたオフィスで見たのは、美しい女性と戯れるメイソンの姿だった。苦痛と悲しみが全身を駆け抜け、クロエはやみくもにオフィスをあとにすると車を走らせた。どこか遠くへ行き、すべてを忘れたいと願いながら......。